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2010年12月15日 (水)

『ソクラテスのカフェ』を読んで 

山下洋輔です。お久しぶりです。

マルク・ソーテ著(堀内ゆかり訳)『ソクラテスのカフェ』(1996年 紀伊國屋書店)をご紹介いたします。

朝の読書会、哲学カフェ、ワールドカフェなどが話題になっています。

流行ではあるが、哲学研究者として、言っておきたいことがあった。それを代弁してくれる本である。

「教えを説くのではなく、問いを投げかける」。そんな著者の姿勢は、柏まちカレと通じる。『自分史』の紹介で話した民衆思想史の視点とも共通する。柏まちカレは、まちづくりを目的としているわけではない。コミュニティ作りではなく、講座企画への刺激になるという思いから、本書を選定した。

ソクラテスのカフェの問いかけは、人間の存在に関わるものに収束する。「一回目」「ズレ」「人間には自明の事柄を否定する権利はあるか」「怒る義務はあるか」「人間は両義性を免れるか」「疑惑の影はどうやって訪れるか」。まとまらない恐れのあるテーマに挑戦している。

柏まちカレの講座は、生活のプラスαの趣味的なものと考えられる。哲学といった高尚でない内容にも価値を見出す。しかし、このプラスαが、今の柏の人々に必要なものであるという説明を試みている。環境、育児、芸術、ビジネス、政治・経済などへの広がりや深みを持つとともに、人とのつながりや学ぶ姿勢が、必要不可欠なものであることを示していきたい。

寺山修司の「書を捨てよ、町へ出よう」のタイトルがピッタリとくる内容。アカデミックな世界だけではない学問のあり方の実践とその補足が記されている。

.住所不定者も含む専門家ではない人々を巻き込んだカフェでの哲学の様子

.カウンセリングにとどまらない哲学相談所の実践とその批判への応答

.無批判に受け入れているキリスト教の原典の読み込み

(津田左右吉氏が『日本書紀』『古事記』を史料批判を加えたように)

.ギリシア哲学へのルーツ探求

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